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蒼空_memo

更新履歴やらコメント返信やら、ネタや萌え色々。基本的に好き勝手してます。

エース夢
本誌の多大なネタバレ有ります。ご注意ください。
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エースの墓の前で、膝を付いた。服が汚れるのなんて気にしていられない。エースのテンガロンハットと目線を合わせて、祈った。

何でこの男が死んだのだろうと、墓を目にしても思う。何で、この男だったのだろうか。自分が変われるものなら変わってやりたかった。もっともっと、やらなければいけないことが有った人。
もっともっと、一緒に生きたかった人なのに。
もう傍には居ないし、この世には居ない。夢のようなことだが現実だった。
未だに少し受け入れ出来なかった。だって、あのエースが死ぬだなんて思いも寄らなかったから。殺してもしなないような卑怯な能力してるくせに、あんな黒ひげやごつい赤犬にやられるなんて。
悲しくなった。悲しくて仕方がなかった。

それでも泣かなかった。泣きたくなかった。

「…泣いても良いんじゃないかい」
「泣かない」

マルコに後ろからそう言われて、即答する。絶対に、泣かないと決めた。
あのエースの死に顔を見てから、そう決めたのだ。

「あんなにも綺麗に笑った顔を見て、私が泣けるわけがない」
「…少しくらいなら、アイツのために泣いても良いんじゃないかよい」
「良いの。今はまだ泣かない」

まだ何も終わってないから、まだ泣かない。泣くとしたら、残したものを全て終わらせてからの方が、すっきりする。そうして、エースの墓の前で泣きながら笑うのだ。
奴の好きな酒をそのとき大量に浴びせてあげよう。供えるのは肉の方が良いだろうか。今からそんなことを考える。

静かに立っている墓標を背にして、振り返らずに歩いた。絶対に、全てを終わらせるという決意をして。

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