蒼空_memo

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手元に有る新聞を見て微笑む。何ともまあ、流石というか何と言うか。

「たった3人…ま、この3人なら造作もないことだろうけど」

モンキー・D・ルフィが麦わら帽子を胸に、黙祷を捧げているその写真を見ながらカップに口を付けた。先の戦争で受けた傷はまだ癒えていないが、動けないわけではない。
仲間や自分の体調さえ良くなれば次に向けて動き出そうと考えてる間に、これだ。何ともあの男の弟は化け物のような体力だ。半端ない。寧ろよく動けたものだと感心してしまう。
たった一人の兄のために、ここまでやってしまう彼を素直に凄いと感じる。血が繋がっていないなど、問題ですらないのだろう。エースもルフィも、どちら共が相手を大事な家族だと大切にしていた。
さて、この16点鐘に何の意味があるのやら。
そのうち解るかもしれない。解らないかもしれない。まあ正直これだけのことが書いてある新聞だけで理解しようとは思っていなかった。自分には自分の考えも有る。
ルフィはまた歩き出すのだろう。自分たちの仲間と一緒に。
そうして自分も歩き出す準備を始めている。

エースのことを思いながら、また海賊の道を進んでいる。

彼女は新聞を折りたたんで、カップにある最後の一口を飲み干した。
マルコたちとまた会議だ。そろそろ決めなければ。ルフィはもう歩き出した。
部屋を出た彼女の足取りは、エースの墓の前のときよりもしっかりしていた。